カランダッシュ ブランドヒストリー

 

時計師が手作業で作り上げる、機械式腕時計で知られる国、スイス。
その永年続く、伝統的な精密加工のクラフトマンシップ(職人芸・職人技)を愛するこの国で、
圧倒的なマーケットシェアを持つ筆記具と関連商品のブランド、それが私共CARAN d`ACHE(カランダッシュ)です。
 
1915年にスイスのジュネーブに鉛筆会社「エクリドール鉛筆製造所」が設立されました。
カランダッシュ創業者のアーノルド・シュバイツァーは、1924年にこの「エクリドール鉛筆製造所」を買収し、
「カランダッシュ スイス鉛筆製造所」と社名を定め、再出発させました。社名のカランダッシュとは
ロシア語で「鉛筆」を意味し、当時活躍していたロシア生まれのフランス人風刺画家である
エマニュエル ポワレ氏(Emmanuel Poire)の、雅号を戴いたものでした。
 
この1924年は、世界では第一次世界大戦終結後の好景気に沸く中で、パリオリンピックが開催され、
日本では関東大震災の翌年という苦しい状況の中、皇太子裕仁親王(後の昭和天皇)と良子女王(後の香淳皇后)の
ご成婚という喜びに満ちた年でもありました。

設立当初からスイスの西端の、フランスとの国境に接する都市、ジュネーブに本社と工場があります。
かつてはローマ時代の要所、宗教改革の中心地、国連や赤十字発祥の地として、現代では時計産業の聖地として、
長い歴史の中で常に重要な役割を果たしてきた都市、ジュネーブ。 文化レベルが高く、個性的な美術館や博物館、
史跡、名所が豊富にそろっています。 また、市民の憩いの場でもある「レマン湖畔」を始め、 周辺には
遥かに広がる田園地帯などの自然に溢れ、さらにフランスの都市へも近いため、気軽に足を運べる便利な立地条件が揃う街です。

カランダッシュの製品は、そうした歴史ある恵まれた環境によって洗練された感覚と確かな技術を育まれ、
世界を魅了する最高の筆記具として愛され続けてきました。


1924年、ジュネーブのダウンタウンにあった創業当時の工場。壁に大々的にディスプレイされた社名が目を引いていました。

スイスの精密機械産業の伝統を受け継いだクラフトマンシップと、洗練された美的センス、時間を経ても色あせない価値を生み出す情熱のもと、カランダッシュは常に研究を続け、新しいジャンルの製品を世に送り出すパイオニアとして、斬新で高品質な製品を作り出してきました。

設立から5年後の1929年には、現在のノック式(チャック給芯式)シャープペンシルの原型でもある、自動給芯機構を持つ世界最初の完全金属性メカニカルペンシル「フィックスペンシル」を開発し、特許を取得しました。


フィックスペンシルのボディは鉛筆型、つまり「六角形」で、手作業によって彫金加工が施されていました。




1929年に開発された、世界初の金属製芯ホルダー「フィックスペンシル」とその特許状


その後、六角形デザインの「エクリドール」として発表し、六角形の軸に彫刻加工を施すというシンプルで伝統的なスタイルは、現在のカランダッシュの定番モデル「エクリドール コレクション」として永年愛され続け、さらに高級ラインのコレクションである「ヘクサゴナル コレクション」、「バリアス コレクション」にも取り入れられています。


「鉛筆」から生まれた六角形のデザインは、まさにカランダッシュのシンボルマークなのです。

カランダッシュはその後も、高級筆記具、ジュエリー、革製品など次々と斬新かつ繊細な製品を世に送り出し、その時代を超えた美しいコンテンポラリーなデザインと、長い歴史で培われた専門技術と知識から生まれるクラフトマンシップで実現される精度の高さ、そして確かな品質により、ゆるぎない評判を確立しました。

 

現在は、世界100カ国以上に広がる販売代理店と高級品専門店のネットワークを通じ、カランダッシュの製品を販売しています。日本市場においては、1999年にカランダッシュジャパンが設立され、2009年9月5日には株式会社伊東屋とのパートナーシップにより、世界初の路面店として丸ノ内にフラッグシップ店をオープン致しました。

全国の一流専門店と有名デパートにて、カランダッシュの厳選された商品をご提供するとともに、フラッグシップショップでは、更にお客様のニーズに対応したより良いサービスを、ご提供いたします。

 

 

  “Swiss Made” SINCE 1915

 

カランダッシュは、使う人に喜びを感じてもらえる、美しくてしかも実用的な製品を作ることをモットーとし、あくまで人間の感覚や手作業を大切にしたモノつくりが大切だと考えています。1本のペンでありながら、時計のように精密でハンドメイド的な手法で作られている、これがカランダッシュの筆記具の魅力です。製品デザインや本体への彫刻加工の一部には最新コンピューター制御の機械が使用されていますが、その生産ラインには人の手による作業が多く含まれ、この手作業を多く取り入れた製品作りこそが、筆記具を手にした際にその手に馴染む絶妙な感覚を生むとカランダッシュは考えています。

非常に緻密で高度な一つ一つの作業には、優れた職人の感覚と経験が不可欠であり、その技を生かすことで独自の製品を永年にわたり作り続けてきました。

その伝統は今後も変わることはなく、このクラフトマンシップ精神こそが、ものを書く喜びを使う人に与える筆記具を作り出しています。

テキスト ボックス: ボディ製作の最終段階、ポリッシュ(研磨)工程。全ての工程を経た製品は、最後は人間の熟練した腕により研磨されます。これにより、金属の輝きにさらなる美しさと輝きが加わります。

カランダッシュでは、ゴールド、シルバー、ロジウム、プラチナなどの貴重な金属素材や、中国漆、カーボン繊維、スネークウッドなどの高級特殊素材を製品に採用しているのも特徴の一つです。

世代を超えて長くご愛用頂ける様に、素材選びには厳しい基準を設け、常に高い水準を保っています。高品質にこだわり、また故障などのトラブルが起きないことを重要とし、製造ラインの全ての工程ごとに、ひとつひとつ徹底した品質検査を行っています。

厳しい品質基準を守り忠実に作られた筆記具には、誇り高い「Swiss Made」の刻印が施されます。

 

素材や構造でも最高を追求する徹底した品質へのこだわりと、クラフトマンシップの尊重が最高の書き味を生み出す秘密なのです。

 

 
厳しい基準の下、入念に検品された商品が出荷されます。
オーダーメイド製品は、宝石のセッティングやオリジナル彫刻等、ひとつひとつ丁寧に職人の手によって施されていきます。

~ History ~

1915

エクリドール鉛筆製造所がスイスのジュネーブに設立される。

1924
アーノルド・シュバイツァーがエクリドール鉛筆製造所を買収、「カランダッシュスイス鉛筆製造所」として再出発させる。
1929   

自動給芯機構を持つ世界最初の完全金属製メカニカルペンシル「フィックスペンシル」

(現在のチャック給芯式 シャープペンシルの原型)を開発、特許を取得し、

六角形デザインの「エクリドール」として発売


1930
手作業で装飾された金銀製のエクリドールメカニカルペンシルを発表
1953 
「エクリドールコレクション」よりボールペンが発売となる
1970
「マディソンコレクション」の展開開始。合わせて万年筆の発売が開始される。
1972
筆記具コレクションにローラーボールが登場
1974 
高いライター製造技術と優れたデザイン性を持つライターコレクションを発表
1983 
カラン ダッシュのシンボルマーク「六角形」を基に作られた高級コレクション ヘキサゴナルコレクションを発売
1990 
日本製レザーコレクションの開発、発表
1993 
「ジュネーブコレクション」を発表
1998 
「レマンコレクション」を発売
1999
カラン ダッシュ社の日本法人、カラン ダッシュ ジャパン設立
最高級限定品「ラ・モデルニスタ ダイヤモンド」を発表(ギネス世界記録2001年版に「世界で最も高級な筆記具」として登録)
1999
六角形ボディの特殊素材コレクション「バリアスコレクション」を発売し、市場を拡大する
2001
限定品『ラグーン』を発表
2003
限定品『ラ ゴティカ』を発表
2004
限定品『マッターホルン』、80周年記念モデル『エクリドールスターリングシルバーセット』を発表
2005

スワロフスキー社とのコラボレート商品、冬季限定『エクラ』シリーズの販売開始

女性をターゲットとした商品展開を始める

2007
偉大なスイスの時計業界に敬意を表した限定品、「1010 テンテン」を発表
2008 

万年筆専門の世界的雑誌『Pen World』より、『1010 (テンテン)』が、Pen of the Year賞を受賞

女性のための初の限定品「パール・ド・カラン ダッシュ」を発表

レザーコレクションに女性向け新しいシリーズが加わる

2009年9月
世界初のカラン ダッシュ フラッグシップショップを丸の内にオープン